カメラを趣味にすると誰もが思うのが「良い写真を撮りたい!」。
そこであなたは良い写真を撮るために、雑誌などで取り上げられているような「良い写真スポット」にわざわざい足を運んでいないでしょうか?
実は良い写真を撮るために「良い被写体」は必要ないのです。
どんな平凡なモノでも人を引き付ける作品にすることができる。
そのために構図を学ぶのです。
今回はその構図についてひたすら書かれているナショナルジオグラフィック「プロの撮り方 構図を極める」を紹介します!
この本を読むとそこらへんのゴミですら被写体に見えてくるはずです。
ナショナルジオグラフィック「プロの撮り方 構図を極める」とは
ナショナルジオグラフィックが出版する「プロの撮り方」シリーズの1つです。
その特徴といったら300点を超える豊富な作例です!
見てくださいこの厚さ!↓
この本の何がすごいかというと全ての写真に解説がついている所。
・撮影時の設定
・その写真を何を考えてこんな構図にしたか
・どういう工夫をしたのか
そんなことが細かに書かれています。
しかも、同じ被写体でも
絞りや立ち位置を微妙に調整して作品が完成するまでの過程まで載せられているので視覚的にもとても楽しい一冊となっております。
「プロの撮り方 構図を極める」の見どころ厳選3選!
ではどんな内容が書いてあるのか!
中身が多すぎて全ては紹介しきれないので、私が「これはためになった!」という3テーマを抜粋して紹介します!
私が本を参考に撮った写真も併せてお楽しみください。
①はじめに
まさかの本の冒頭である「はじめに」がランクインです。
ここには何のために構図を学ぶのか?その心構えが書いてあります。
子どものように世界を”曇りのない目”で”意欲的”に見つめてみよう
つまり
「これは美しい!」
「これは醜い」
「これは感動的だ」
「これは退屈だ」
そんな今までだれかに教えられたかのようなモノの見方から解放されようということ。
撮ろうとするモノが平凡で醜かろうと、その配置や見せ方によって深く印象に残る写真にすることができるのです。
これは道端に生えていた雑草です。
一般的に邪魔ものにされる雑草だって被写体になりえるのです。
冬の寒さや霜にも負けず、みんなで力強く生きている感じが素敵なので撮りました。
②日常の中で構図のセンスを磨く
ここでは構図のセンスを磨くためのヒントが書かれています。
センスを磨くために推奨されている方法は「一見つまらないものが集まる場所にでかけ撮影すること」です。
あなたは美しい写真を撮るためには美しい被写体が必要だと思ってはいないでしょうか?
その価値観から自分を解放して、カメラを持ってそこらへんを散歩してみましょう。
誰もがスルーしてしまうような、誰もが退屈だと思うような場所から「面白さ」を見出して撮影する。
その見つけた「面白さ」を伝えるために構図を工夫する=センスが磨かれるのです。
この写真は本を読んで「今日はゴミを撮るぞ!」と繰り出した散歩で見つけたペール缶です。
カメラを持って歩いてなかったら気にもしなかったでしょう。
③背景選びが構図を決める
自分の写真をチェックするときに何を見たらいいのか?
それは「背景」だということが書かれています。
皆さんは写真を撮る時に「メインの被写体」に目を奪われがちです。
つまり背景がおろそかになりがちなのです。
料理で例えると背景は「皿」です。
どんなにゴージャスな料理でも紙皿の上では美味しさ半減ですよね?
例えばこの写真。
「枝についた水滴が綺麗だな~」と撮った写真です。
しかし背景が白っぽいのでせっかくの水滴があまり引き立っていません。
ですから立ち位置を少し調整して・・・
背景を変えてみました!
背景が黒いので水滴がよく引き立ちます。
同じ場所、同じ時間でも背景が違うだけでこんなにも印象が違うのです。
「プロの撮り方 構図を極める」はゆっくり楽しむ本
実は今回紹介した3テーマはほんの序章にすぎません。
作例と説明がとても多く、一気に読んでも全てを吸収するのは難しいでしょう。
しかも、専門用語が多く使用されているためシャッタースピード、F値、ISO感度、焦点距離などをある程度わかっている人でないと読むのに疲れてしまうかもしれません。
ですからまずは今回紹介した3テーマをカメラ散歩で実践してみて下さい。
だんだんコツがつかめてきたらたまに本を開いてみて、さらに別の構図の手がかりをつかむ。
そんな使い方を私は推奨します。
知識にがんじがらめになるよりも、まずは簡単に実践できることからやってみることが重要です。
噛めば噛むほど美味しい。そんなスルメのような本です。
私はこの本と長い付き合いになりそうです。